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私は、あの日、屈辱的な仕打ちを受けた。
思い出すだけで胸が痛む。
両手に作ったこぶしを、思わず強く握りしめた。
「美冬、ごめん。僕、好きな人が出来た」
「えっ?りょーくん?」
「本当にごめん。もう美冬とはいられないんだ」
「う、嘘よ!そんなの、そんなのやだ!どうしてそんなこと言うの?」
「…ごめん」
「…りょ、りょーくんの好きな人って…だ、誰なの?」
「…美冬の知らない人だよ。少し前に知り合った人でね。すごく…優しい人なんだ」
突然の告白に、膝から崩れ落ちそうになるくらい衝撃が走った。
「…私より美人なの?」
「まさか。美冬みたいな綺麗な子、他にいないよ。でも、好きになるのに見た目は関係ないから」
淡々と言う感じにムカッとした。
「私は中身が悪いってこと?」
「い、いや、そうじゃないよ。そうじゃないけどね。ただ…」
「ただ?」
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