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本当に大事だと思っていたら、あのような精神的に不安定な時に、つけ込むように抱いてはいけなかったのだ。
だからせめて、何度も感じて欲しい。
自分の快楽は後回しにして、環の反応ばかり気にしてしまう。
最近になって、その事が環には気に入らないようだ。
一緒に……!
そう伝えてくる。
有難いけど、最初に感じてしまった罪悪感はなかなか消えないようだ。
環の気遣い。
それは俺への愛情だと受け取ってもいいのだろうか。
もう、拓郎に想いは残していない?
今なら、本気のプロポーズも受け入れてもらえる?
拓郎が帰ってくる前に……。
……いや、ダメだ。
焦りのプロポーズなんて、俺自身が許せない。
今はその時じゃない。
環と拓郎がちゃんと話し合えてからだ。
俺たちの未来の話は……。
まだ俺のベッドでよく眠る環の頭をそっと撫で、部屋を出た。
環の喜びそうな朝食を作るために。
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