美由紀は新婚さん

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驚きはしたけど、こんな優良物件なんだもの、諸手を挙げて祝福するしかない。 ただ問題は……。 美由紀を長年想い続けてきた淳之介の存在だったんだけどね。 「私は美由紀が幸せならいいんだよ。 お相手は公親先生だもの、幸せに決まってるけどね」 「ふふふ……うん。幸せだよ。 大切にしてもらってるなぁーって思う。 環と淳くんが一番知ってくれてるよね? 大学の時のこと… あれから私、恋愛に対して苦手意識があった。 今考えてみれば、相手の勝手な考えに振り回されていたんだよね。 二人、心配してくれていたのにね……」 「美由紀……」 美由紀は大学時代に初めて付き合った人にふられた過去がある。 それもかなり理不尽なふられ方だった。 「今ならわかる。 私は大切にされていなかったんだって。 ……公親くんのおかげね」 「……良かったね。 ちゃんと美由紀を見てくれる人が現れて。 それに、イケメン四天王の1人だよ〜?」 「そ、それは副賞みたいなものだよ。 私はね、あのすっごく優しいところに惹かれたの」 優しいところ……。 「……うん、そうだね」 淳之介だって、すっごく優しいのに。 それにイケメン四天王の一人だし。 美由紀はどうして一度も淳之介のことを考えなかったのだろう……。
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