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高校時代は陸上部で忙しかった美由紀。
大学に入れば、きっと淳之介の気持ちに気づいて、付き合い出すのだろうと思っていた。
美由紀は相変わらず陸上で忙しく、2年生までは日本インカレの強化合宿に参加していた。
ところが1年生の終わり頃、恋愛が出来るような余裕はなさそうだったにもかかわらず、人生初の彼氏が出来たのだ。
関西インカレで知り合った、1つ年上の同じ中距離選手だった。
相手が3年生、美由紀が2年生の間は陸上が第一でありながらも、互いの練習を尊重しあって、とてもいいお付き合いをしていたように思う。
でも相手の男性が4年になって引退し、就活に入ると、付き合いはバランスを崩していった。
就活で余裕のない彼を支える美由紀。
それまで陸上一筋だったのに、美由紀は恋愛にのめり込んでしまう。
美由紀にはまだ陸上を出来る期間が1年あったのに、巻き込まれる形となって、グラウンドから離れてしまったのだ。
そして彼は大学卒業後、地方勤務になった。
美由紀は4年生。
遠距離恋愛がそこから始まる。
月2回は彼の所へ会いに行っていた。
でも、彼は一度も美由紀に会いに帰って来ることはなかった。
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