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そして、美由紀が会いに行けなかった教育実習中、浮気をされる。
しかも、浮気をしたのは彼の方なのに、寂しい思いをさせた美由紀が悪い、と罵ったのだ。
モラハラ男にそう刷り込まれた美由紀の落ち込みは酷かった。
今でも覚えている。
落ち込む美由紀に呼び出された時のことを……。
◇◇
「だからそんな平等じゃない付き合いはやめろと言ったんだ!
もうモラハラ浮気男のことは忘れろ!」
淳之介がここまで怒ることは珍しい。
「……淳くん…それはちょっと…」
確かに私も思っていたことだった。
美由紀とその彼とは平等ではない。
何も言わなかったのは、美由紀が彼を大好きだったからだ。
好きな人を否定されるのは嫌だろうし、付き合い始めの頃は互いを尊重しあえていたように思ったから……。
美由紀の性格から考えると、きっとまだ好きなはず。
本当は私だって淳之介と同じようにそいつを思いっきり罵ってやりたい!
でも美由紀の気持ちを考えるとそれは出来なかった。
「美由紀! もう絶対に会いにいくなよ!?
そいつのことは忘れろ!! 」
「……でも…まだちゃんと話し合ってない…」
「話し合う必要なんてないだろ」
「淳くん……」
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