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淳之介の気持ちも分かる。
大切な美由紀が蔑ろにされて、裏切られたのだ。許せるわけがない。
その気持ちはわかるから……。
「……淳くん、今日はもう美由紀も疲れているだろうから、送ってあげて?」
「は?」
「あ、私は大丈夫だよ?
ここ、宣のバイト先の近くだから、少し待って一緒に帰る」
「……いや、しかし…」
「美由紀? 私も淳くんと同じ考えだよ。美由紀にはもっと美由紀を大事にしてくれる人とお付き合いして欲しいと思ってた。
今は辛いと思うけど、私は美由紀に自分自身を大切にして欲しい。
……絶対に美由紀を大切にしてくれる人がいるから。ね? 」
すぐ隣にいるんだよ
「環……
うん、もうダメなのはわかってるから…
私も悪かったし…」
「悪くないよ。美由紀は悪くない。
一生懸命やったから。
……今日はもう何も考えずに休んで。
淳くんに送ってもらって?」
「……うん」
気遣わしげに私に視線を送ってくる淳之介。
あの視線の意味はわかっていた。
淳之介の葛藤も……。
私たちには、もうその時カラダの関係があった。私が辛い時に、淳之介に甘えてしまったから。
だから淳之介は私に気を使っているのだ。
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