美由紀は新婚さん

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「……環? ……たまきー?」 「え」 「どうしたの? 」 「……なんでもない。 ちょっとぼーっとしてた」 「もうアルコールまわったの? まだまだ美味しい日本酒あるのにー」 「え? ホント!? どこの? 」 「この前、公親くんと京都に行ったの。ほら、あの俳優さんのご実家の酒蔵に行ってきて…」 「うそっ!! 飲みたーい!! 」 「ふふふ……だと思ったー。 私たちの好みに冷やしてるからさ! 今持ってくるね〜」 美由紀には何も言ってない。 私達の関係も、淳之介の想いも。 結婚してとても幸せそうにしているところを目の当たりにすると、これで良かったのだろうと思う。 何かを知って、幸せを半減させたくないから。 キリッと冷えた純米大吟醸『聚楽第』はとても美味しかった。 木曜日だと言うのに、私たちはご機嫌な夜を過ごした。
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