焦る想い side淳之介

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焦る想い side淳之介

週末、環が泊まりに来た。 ずっと環に言えないでいる。 先週の金曜日に、拓郎から連絡があったことを……。 「月末には帰ってくるのに……」 この4年半、俺は俺なりに環を大切にしてきたと思う。 環への想いも伝えてきた。 どこまで伝わっているかわからないが……。 同じ教師という職業柄、デートらしいデートも出来ないが、週末は俺の部屋で多くの時間を過ごしてきた。 4年半。 そう、あれから4年半の月日が経っている。 思い返してみれば、初めての時は拙かった行為も、今ではカラダも馴染んで、環の弱いところも、可愛い声を出すポイントも、すっかり知り尽くしている。 ただ、どうしても環により良く感じて欲しくて、環の反応ばかり気にしてしまう。 あの初めての時からの罪悪感は少しずつ薄れては来たものの、やはりどうしても忘れられないのだ。 落ち込んでヤケになっている環を抱いてしまったこと……。
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