プロローグ

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〜公園〜 ぺこら「うう〜・・・今回のバイトは流石に疲れました」 午後17時現在、ぺこらは今、バイトの帰りです。というのも、ぺこらはこう見えて、天界に住む天使達を纏める天使長。人間界に巣食う悪魔、そして、ヴァンパイア族を駆除する、それを日々こなしてきました・・・・・・・・・のはずだったのですが、実はこの人間界でとんでもない失態を冒してしまったのです。どのような失態を冒したかですって? それは、天使達にとって戦う力、天界へ帰る切符、そして命とも言える【天使の輪っか】を紛失してしまったのです。何故、いつ、何処で無くしてしまったのかは定かではありませんし、全く検討も付きません。以前、【花園ゆりね】と言う人間の住むアパートの押入れに隠れ、悪魔達の駆除をする機会を伺っていました。そして、2体の悪魔達を退治しようと、聖なる波動を放とうとしたのですが、何故か出ません。それから何度やっても出なかったので、もしやと思って頭の上を触ってみたら・・・・・・・・・ええ、天使の輪っかを紛失してしまった事にようやく気づいてしまったのです。天使の輪っかのない今のぺこらはなんの力もない人間と同じ状態。天使の輪っかの失えば、聖なる力を出せない所か、天界へ帰る事すら出来ないのです。なので、迎えが来るまでの間、人間界で暮らし、アルバイトをしてお金を稼いで済ませると言う日課なのですが、ぺこらは住所不定な上、アパートを借りるお金すらないので、公園にダンボールで作った【ダンボールハウス】の中で生活をしている訳です。 ぺこら「さて・・・夕飯までまだ時間があるようなので、少し寝ますかね」 ちなみに、ぺこらが始めているバイトですが、最初は工事現場のバイトで、これが中々キツイ上、貰えるお金もほんの3000〜5000円ちょっとだし、日用品やら何やらを揃えなければならないので、食費に使う分がほとんど足りなくなってしまう始末。下手をすれば、激安のパンの耳のみという生活を強いられる事になります。天使の輪っかがあれば、その辺に落ちてる石をパンに変える事が出来ますが、今となってはそれは叶いません。ともかく今は、バイトで疲れた体を癒やすべく、ダンボールハウスの中に入った後、横になって少し休む事にしました。 〜1時間後〜 それからしばらくして1時間後になって起きると、すでに夕方の18時になり、中から外をちらっと覗いたら、ちょうど日が落ち、辺りは暗くなっていました。しかも 【ぎゅるるるるる】 ぺこら「はぁ・・・お腹が空きました」 今朝はパンの耳しか食べてないし、バイトで体を動かしてるから、余計にお腹が空いてきたのです。夕飯までまだまだ時間があるので、あともう1時間寝てから食べよう。そう思って横になろうとした時だった。 【トントン】 誰かがいるのか、ぺこらハウスのドアを軽くノックする音が聞こえたのです。ぽぽろんなのか、花園ゆりねなのか、それとも、あの悪魔なのか分かりませんが、とりあえずと思い、ドアを開けると、そこには見覚えのある人物がいたのです。 ???「ぺこら、いる?」 ぺこら「・・・あなたですか・・・なんですか、こんな時間に・・・」 ぺこらの目の前にいるのは【ツインテールの髪型】【帽子、白い眼帯、黒を強調したゴスロリファッション】を整えたちょっとだけ幼気のような女性。彼女の名前は【花園ゆりね】 以前、人間界で悪魔を召喚し、その悪魔達と結託していた【魔女】です。実を言うとぺこらが彼女のアパートに忍び込んだのは主から「花園ゆりね、その人間と結託している悪魔を始末しろ」と言う命令を受けたからなのです。もちろん、先程お話した通り、ぺこらは天使の輪っかを紛失し、人間界での生活を余儀無くされてしまいました。何故、彼女がぺこらの所に来たのかというと、それは・・・
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