プロローグ

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【ジリリリリリリ!】 ミノス「うーん」 朝6時に鳴り響く目覚まし時計、あたしはその音に気付きながら手を伸ばしてスイッチを押して止める。 ミノス「しゃあ!」 目を開けて勢いよく飛び上がった後、まず、やる事がある。1つは体のトレーニング。スクワットに腕立て伏せ、そんでもって筋力トレーニングだ。何でこんな事をするかって言うと、これから仕事があるんだけど、その最中にいきなり負荷のかかる事をすると、怪我しちまうから、そうならないようにするための準備運動って訳さ。ちなみに、あたしは元々、魔界住みなんだけど、実は訳ありでこの人間界で住む事になったんだ。んで、仕事をしてるのも、生活費を稼いで、食事代や日用品を揃えて、アパートでの生活に備えるようにしてるのさ。じゃなきゃ、この人間界じゃあ生きていけないだろ? ミノス「さあて・・・行くか!」 準備運動が終わった後は仕事・・・というより、まずは軽めのバイトだな。6時に起きたのはそのバイトが6時30分から始まるからなんだ。 ミノス「ここと・・・ここ、それから・・・」 ちなみに、あたしがやってるバイトは牛乳配達。リヤカーには大量の牛乳瓶が積み込まれていて、それをアパートや近所の家に届けに行くバイトさ。 ミノス「最後は・・・このアパートだな」 最後に牛乳瓶を届けるのはここ、あたし達が住んでるアパート。あたしが住んでるこのアパートには知り合いがいて、その知り合いとも仲良くしてもらってるんだ。このアパート全員分に牛乳瓶を届けた後は腹ごしらえだ。あたしはアパートのとある部屋のインターホンを鳴らした後、中に入る。 ミノス「オッス、また来たよ!」 ???「まったく、またお前ですの?」 眠そうに現れたのは上半身裸の金髪で、下半身に蛇の尻尾を生やした女の子。この子は邪神ちゃんって言う悪魔で、あたしとメデューサの親友なんだ。同じく魔界で暮らしてたんだけど、実はある理由で今は魔界に帰れなくなって、人間界で暮らさなくちゃいけない状態って訳。 ???「ミノス、おはよう。今日も早いわね」 小さい黒の帽子を被り、左目には白い眼帯を付け、白と黒を強調したゴスロリファッションを着た女の子の名前は花園ゆりねちゃん。実はこのゆりねちゃんが邪神ちゃんを人間界に召喚させたんだって。んで、邪神ちゃんが魔界に帰るためには召喚者であるゆりねちゃんが帰還の呪文を唱えるか、寿命が尽きるかのどちらかになるみたいなんだ。 帰還の呪文が記された魔導書が出るのを待ちきれない邪神ちゃんはドロップキックやあの手この手を使ってゆりねちゃんを殺そうとするんだけど、結局、ゆりねちゃんに返り討ちされて何度も失敗してるんだよね。あたしがこの人間界に来たのも、そんなゆりねちゃんが強いって言う噂をメデューサから聞いて、どれ程の物か確かめようかと思ったからなんだ。あの時は魔界最弱の邪神ちゃんを倒したからって調子に乗らないでって感じでゆりねちゃんに挑戦状を申し込んだんだけど、ゆりねちゃんには「大学のレポートやバイトがあるから無理」って断られるし、邪神ちゃんはゆりねちゃんに不意打ち紛いの卑怯な手を使ったから、ゆりねちゃんとの決闘はお預けさ。 ミノス「ごちそうさま!」 邪神ちゃんの作る料理は超美味いから、いくらでも食べれるよ。邪神ちゃんは色々と酷い事やクズな面はあるけど、こんなあたしと親友になってくれたし、何だかんだで根はいい奴だから、親友としてはほっとけないんだよね。 ゆりね「ミノス、時間の方は大丈夫なの?」 ミノス「おっと、もうそんな時間か」 ゆりねちゃんの部屋でご飯を食べたあたしは急いで仕事に向かった。牛乳瓶配達のバイトの後は別の仕事もあるしね。
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