君を想う

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 場内が暗くなる。 「主任、いよいよですね!」 「ここで主任呼びやめてよ」  決断の翌日。  僕達はステージから5番目の席にいた。  ここじゃ気づかれるかもと思ったけどもう遅い。  どうにでもなれ、ってくらい会場は盛り上がっていた。  スクリーンのカウントダウン。スモークが漂い、レーザーの光が四方八方を指す。 「3! 2! 1!」  ゼロ! と発した途端に、デビュー曲のイントロが流れ、音圧が押し寄せる。 「いっくぜぇえー!」  明のシャウト。  後輩につられたわけでもなく、僕は歓声をあげていた。
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