⑤はながさく◯

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 ふと俺達の関係がなんなのか、たまに考える時がある。  側から見たら、俺はただの枕代わりだ。  亜蘭は特別な友達と呼んでいたが、ルイやマサとの友人関係とも違う。  大した労力ではないが、この男のためにわざわざこんなことに付き合っているのはなぜか。  ただの同情なのか、自分の気持ちなのにサッパリ分からなくなっていた。  だからこんな風に、変な態度をとられると、いっそう深みにハマってしまう。 「いいじゃん別に。アイツらが変な呼び方するから、学って呼ぶの亜蘭だけだし」 「え……俺だけ?」 「両親の他には亜蘭だけだよ。……俺、アイツら以外に他に友達いないし。あ……亜蘭は特別なんだろ?」  言い訳をしたかったわけではない。  ただ、亜蘭の顔が少し寂しそうに見えたので、つい親切心でそんな風に言ってみたら、亜蘭は口元に手を当てていて、ふふふっと声が聞こえてきた。 「なっ、なんだよ。変な声出して……」 「ん? 思った以上に……嬉しいなって」  顔から手を離した亜蘭は笑っていた。  彫像のような微笑も彼には合っているが、いま目の前にあるのは子供のように大きな笑顔で、それを見た俺の心臓はドクンと跳ね上がった。  トクトクと鳴り始めた俺の心臓とは逆に、亜蘭の方はそれきり目を閉じて、スヤスヤと寝入ってしまった。  これは何なんだと、訳のわからない熱に顔が熱くなって、誰も見ていないのに見られたら困ると、手で顔を覆って早く冷めてくれと願うしかなかった。  □□□
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