⑦わるいこ◯

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 どう説明しようかと思っていたら、そこにやっと騒ぎを聞きつけたのか、教員や事務の人達が集まってきた。  それを見た亜蘭が、サッと俺の頭にパーカーのフードをかぶせた。 「先生方と少し話すけど、その後、場所を変えよう。その耳のこと、何があったかちゃんと教えてね」 「ううっ、わ、分かった」  心配してくれているのかもしれないが、耳元で囁かれたら、さっきのムズムズが戻ってきて、変な声が出そうになった。  訳の分からない熱を散らすように、下を向いた俺だったが、熱くなった顔はしばらく元に戻りそうになかった。  □□□
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