⑰ぜんぶ好き●

2/7
前へ
/93ページ
次へ
「うん。俺も初めて飲んだけど、不味くはなかった。学はいつも俺に新しい驚きをくれるね」  ヘラヘラと笑う亜蘭を見て、俺は言葉が出てこなかった。  相変わらず美しい人で、大輪の薔薇が咲いたようなこの唇に俺は……。  罪を冒したような気持ちになって、ぶるりと震えた。 「んっ………」  後ろから亜蘭の指が抜かれた。  三本入っていたとか、恐ろしいことを言われたが、そこで今度は亜蘭が自分の服を脱いだ。  もちろんアレを擦り合ったりしたので、ソコは見たことがあったが、全裸になった亜蘭を見るのは初めてだった。  これまた彫刻のような、しなやかで美しい白い肢体が浮かび上がってきて、目が釘付けになった。  ガリガリの子供のような体の俺と比べたら、立派な雄の体だ。  胸が高鳴って、触れてみたくなってしまった。 「ん? どうしたの?」 「あ……あの、すご……すごいね、足とか……、細く見えたのに」 「ああ、着痩せして見えた? 中高と陸上をやっていたから、足はね、自然と逞しくなっちゃった」  そんな話初めて聞いた。  風を切ってトラックの上を走る亜蘭は、きっと誰よりも輝いていただろう。  見たかったなと思っていたら、下半身に聳え立つモノが目に入ってしまった。  改めて見るとあんなに大きかったのかと、息を呑んでしまった。 「これ、気になる? 早く学の中に挿入りたくてウズウズしているんだよ」 「や……やっぱり、挿入れるの?」  散々後ろを弄られて広げられていたので、そりゃ気がついてはいたが、さすがにあの大きさを目の前にしたら腰が引いてしまった。 「大丈夫、ゆっくりやるから。ココが……俺の形を覚えて、どこにいても欲しくてたまらなくなるまで……」 「困るよ……そんなっっ」  本当か冗談なのか分からないが、俺が焦った顔になったら、亜蘭は噴き出して笑った。  未知の不安は拭い切れないが、軽く体を流した後、俺は丁寧に運ばれてベッドに連れて行かれてしまった。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

349人が本棚に入れています
本棚に追加