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私は忘れてしまうから 私は私と離れて 私たちになった 私たちは計画通りに 異なる私たちを増やし 私たちだけではなくなってしまったけれど 途方もなく満たされてる とても健やかでいい気分 止めどなく湧き上がる 微睡(まどろ)むような心地よさに 溺れてしまいそうになりながら その時が来たら 終わりが始まることを知っていた いろんな私たちは想像を膨らまして その時に備えようとしたのに 不意に聞こえてくる (にぎ)やかな音に邪魔されて また最初から その時が訪れた 仄暗い窮屈(きゅうくつ)な穴から押し出され 「おぎゃあ」と雄叫びをあげた
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