54人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「ベッドシーンが終わったから。」
私は、そっと流君を見つめた。
「そういう事?」
「そういう事。」
流君は、うんとだけ頷くと私を追い越して行った。
さようなら。
私の愛した人。
いつまでも、この日々の事忘れない。
涙がボロボロ零れた。
「泣き虫。」
目の前に流君がいる。
「素直に認めろよ。俺が好きだって。」
「ええ、好きよ。愛している。」
今だって、あなたに抱かれたくて、うずうずしている。
「だから、さようなら。」
最後は精一杯、笑えたつもりだった。
そして流君が、背中を向けた。
肩が震えている。
泣いているんだ。
「流君……」
名前を呼んで、そっと手を伸ばすと、流君は行ってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!