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「ベッドシーンって言っても、緊張しなくていいから。官能じゃないし。サラッとね。」
「はい。」
そうだよね。相手がいくら木下流だからって、40も過ぎた女のベッドシーンなんて、見たくないわよね。
そして次に監督は、木下君の元に行った。
「木下、あんな綺麗な女優とベッドシーンなんて、今から興奮するだろう。」
私は、思い切り監督を見た。
「まあ……」
木下君もまんざらじゃない?
「今のうちに練習しておけよ。本番で失敗できないぞ。」
「はい。」
はいって、どんな風に練習するのよ。
あっ、そうか。
木下君には彼女がいるのか。
いいよなぁ。こういう時に、相手がいるって。
と、言うか、彼女はどう思ってるんだろう。
彼氏が俳優だからって、ベッドシーンがあるだなんて。
私はいらぬ心配をしていた。
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