住居の怪談

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住居の怪談

世の中には、よく見てしまう人と、まったく見ない人といます。 怪談・ホラー系はジャンルが広いのですが、住居系になるとやっかいです。 どんなに条件がよくても、先住者(よくわけのわからない何か)がその土地、その部屋にいることもあるのですから。 最近、怪談系の本を何冊か読んで、面白かったものをご紹介します。 3月から4月にかけて引っ越しされる、住居を変える方も多いと思うので、ご参考になればと思っています。 「たてもの怪談」 加門七海 エクスナレッジ 著者ですが、美術館の学芸員を経て、オカルト、風水、民俗学、和服に造詣が深く何冊も本を出しています。 ホラー系の作家さんですが、ご本人も「見てしまう」系の方なので、その体験が書かれている本がおもしろいです。 なによりも「モノカキ根性」に驚くのは、その怪異を追いかけ解明する熱量です。 コワイを超えて、なぜそこにその現象が起きるのか、専門知識や歴史を駆使して、怪異の本質に迫る。 それは、通常のホラーとは異なる怖さと納得感、そして身近に感じられる恐怖があります。 そして、著者の専門性が非常に高い、それがノンフィクションの厚みを出しています。 余談ですが 「猫怪かい」という本では、拾った病気の子猫を、著者のオカルト知識と人脈で、猫の病気の快癒に努力するというお話です。 病気の子猫の体から草が生えたり、虫が飛び出てきたり(霊的な意味で)、 また、著者が霊とその怪異にめちゃくちゃ格闘するのは、コワイを超えて感動します。 ある意味、猫の別の意味での「怪談話」ですね。 猫好き、猫愛にあふれている方にオススメホラーです。
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