□Prolog〜プロローグ〜 

1/5
979人が本棚に入れています
本棚に追加
/210ページ

□Prolog〜プロローグ〜 

〜いきなりのキス〜 「ちょっと、千歳……?」 「桃子、お前アイツが好きなのか?」  同期である千歳は、真剣な眼差しで私にそう問いかけてくる。  私の同期・加瀬(かせ)千歳(ちとせ)  私は千歳のことがよく分からない。 千歳は私のこと、どう思ってるのか。  そんなこと、分かりっこない。 「えっ、アイツって?」 「営業二課の北山だよ」  千歳は私の腕を壁に押し付け、じっと見つめてくる。 「え、北山くん……?」  な、なんでそこで北山くんが出てくるの? 「お前、アイツが好きなのか?」 「な、何言ってんの?」  わ、私が北山くんのことを好き? そ、そんな訳ない……。 「この前、一緒にいただろ。北山と」    千歳はそんな私に、そう告げる。 「あ、あれは……」  まさかあの場面を見られてたなんて……。 「答えろよ。好きなのか?北山のこと」 「……違うから」     なんで千歳は、急にそんなことを言い出したのか、私にはまるで分からない。 「本当に違うのか?」 「違うよ。なんでそうなるの……?」  意味が分からない。   そもそも私がもし北山くんのことを好きだったとして、それが千歳に何の関係にあるっていうの?
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!