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「ねぇ、今すぐ地獄に落ちて」
「おい、冗談だろ」
「私は本気だけど」
思えば、千歳とはずっとこうだった。顔を合わせれば、お互い憎まれ口を叩いていた。
千歳は私のことをよくバカにするし、上から目線でものを言ってくる。
千歳はそんな男だ。 でも……もうそんな関係には戻れない。
私は千歳に抱かれた仲で、ただの同期ではなくなった。
「ほんと可愛くねぇ女だな、お前は」
「可愛くなくて結構」
どうせまた、私のことからかうんでしょ? ツンデレだとか言って。
「昨日はあんなに可愛かったのにな?」
「うるさい。余計なお世話」
千歳に背を向けると、千歳は私をそのまま引き寄せて抱きしめてくる。
「ちょ、ちょっと、なに?」
「お前、俺以外の男に抱かれるの、今後禁止な」
「……はっ?」
いやいや、今なんて? 頭おかしくなった?
なに?許さねぇって!
「え、何言ってんの? 冗談やめてよ!」
なんで千歳以外の男と、しちゃダメ的なこと言われないとならないの?意味が分からない。
「俺は本気だけど? お前のその態度にクソムカついたから、絶対離してやらないことにした」
「はあっ!?」
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