□交際ゼロ日のプロポーズ

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「ねぇ、今すぐ地獄に落ちて」 「おい、冗談だろ」 「私は本気だけど」  思えば、千歳とはずっとこうだった。顔を合わせれば、お互い憎まれ口を叩いていた。  千歳は私のことをよくバカにするし、上から目線でものを言ってくる。  千歳はそんな男だ。 でも……もうそんな関係には戻れない。  私は千歳に抱かれた仲で、ただの同期ではなくなった。 「ほんと可愛くねぇ女だな、お前は」    「可愛くなくて結構」  どうせまた、私のことからかうんでしょ? ツンデレだとか言って。 「昨日はあんなに可愛かったのにな?」 「うるさい。余計なお世話」    千歳に背を向けると、千歳は私をそのまま引き寄せて抱きしめてくる。 「ちょ、ちょっと、なに?」 「お前、俺以外の男に抱かれるの、今後禁止な」 「……はっ?」  いやいや、今なんて? 頭おかしくなった?  なに?許さねぇって! 「え、何言ってんの? 冗談やめてよ!」  なんで千歳以外の男と、しちゃダメ的なこと言われないとならないの?意味が分からない。 「俺は本気だけど? お前のその態度にクソムカついたから、絶対離してやらないことにした」 「はあっ!?」
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