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2・6月転向はギリギリのタイミング、『高卒4年目』にシーズン終了を待つ暇はない!
それでもチーム事情によっていろいろとポジションをたらい回しにされたこともあって、立浪監督も多少は考慮します。シーズンの前半部分では、代打や途中交代などで、なんとかして根尾選手の野手としての道を探ります。
ちょうど、福留選手に引退を勧めるかどうかのテストも前半戦だったと、立浪監督は言ってましたね。そういう意味では、今年の立浪監督は成績を度外視してでも戦力を見極めるつもりだったのでしょう。
そして野手としての根尾選手は、お世辞にも期待に応えたとは言えない数字でした。出塁率は高かったものの、打率は2割台。守備でもスタメンに食い込めるような突出した動きは見せられませんでした。ライバルともいえる京田選手が2軍落ちという事態があったにも関わらず、です。
それでも根気よく、我慢して使うべきだという意見もかなり見られました。期待の野手なんだから、育つまで待とうと。
ですが、そうも言っていられません。なぜなら、根尾選手が『高卒4年目』だからです。今年ドラフトで入ってくる大卒選手と同い年だからです。
根尾選手の成長を待つくらいなら……大卒、社会人の即戦力を獲ってきた方が早いのです。実際、今年のドラフトでは支配下指名の7人のうち5人が大卒と独立リーグ出身者で、さらに内野手を4人も獲得しています。
そして……シーズン途中の6月転向というのも、実は理由があります。
先ほども言いましたが、『高卒4年目』なのです。来年は同い年の大卒選手が入団してくるのです。
もし、来シーズンから投手転向ということになれば……来年のキャンプは投手としてルーキーと横一線。大卒、社会人出身の投手と1軍の座を競争することになります。実際、中日のドラフト1位は大学生の即戦力投手ですよね。
だからこそ、シーズン途中からでも1軍の試合に投げさせて、『箔』を付けなければならなかったのです。負け試合でもいいからひたすら根尾選手に投げさせて、『経験』という踏み台を作ってあげたかった。シーズン終了を待つ暇はありません。公式戦の真剣勝負の中での実績でなければ意味がないですから。
野手としてギリギリまで待ったからこそ。そして、投手として目いっぱいチャンスを与えるため。6月はギリギリのタイミングだったと言えるでしょう。
あと、シーズン終了まで野手として温めてたら、今年の現役ドラフトで他球団に攫われる可能性もあったことを考慮すべきです。そういう意味でも『箔』が欲しかったんでしょう。
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