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その夜。
夕食の後片付けを済ませて、みんながそれぞれの部屋に戻ってしまってから、直人はマサヤに教えて貰った通りに風呂で準備をした。
こっそり買ったローションと避妊具をポケットに入れて、季央の部屋に向かう。
そうっと上がっているつもりだけれど、ギシギシと妙に音がうるさかった。
ふと、納戸の前を通ると、中から話し声が聞こえる。
マサヤと伊豆佐は今日も…と想像すると、直人まで興奮してきてしまった。
季央の部屋の前で、深呼吸をして息を整えていると、不意に襖が開いた。
「わ」
「おう、なんだ直人?」
シーッと指を口に当てて季央をまた部屋に押し込む。
「ごめん、急に来て」
「いや、俺も今直人の部屋に行こうかと」
おそらく同じ事を考えているのが分かり、二人でクスクス笑ってしまった。
「…いいのか?」
季央が優しく直人の髪を撫でながら聞いた。
「うん、はやく季央とひとつになりたい」
そう言った途端、ポケットからローションがゴロンと落ちた。
「あ」
恥ずかしさで赤くなっていると季央も引き出しからローションと避妊具を取り出した。
「俺も用意してる」
「あ、そうなんだ…」
二人でローションと避妊具を並べまた笑ってしまう。
「何回でも出来るな」
季央は、嬉しそうに笑って直人を抱き寄せた。
「そ、そんなに何回も出来ないから。身体持たない」
「そんな事言って、準備万端のくせに」
季央がニヤリと笑って直人の顔を覗き込む。
「そ、それはさ…」
「俺無しじゃいられない身体にしてやるよ」
「……」
直人はなんと言っていいのか分からず、ただ季央の胸に抱かれて目を閉じた。
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