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大切なお方との〝次の約束〟があるから、大丈夫。
空高く、お天道様が眩しい陽射しを降らせる季節。朱夏が終わるまでに、必ず約束を果たそう。
手土産は三笠屋の団子が良いだろうか。みたらし、きな粉、蓬に磯辺、あんこ乗せ。それぞれ十本ずつ、注文しよう。きっと喜んでいただけるはずだ。
茜色の空に沈みゆく日輪を見上げ、串団子を両手に持って笑う美少女をそこに映す。自然と笑みが零れる。
——葵様。咲き揃った立葵に囲まれた貴方様は、どれほど美しいことでしょう。再会できるその日を楽しみに、明日から僕は励みます。
いつも通り、心中だけで呼びかけてから、笑みを引っ込めた。
自ら選んだ『明日』に何が待っているのか。確たることはわからないが、ひとつだけ言い切れる。
「原田様っ」
僕にはこのお方がいてくださるから、大丈夫。
「あ? なんだ? 男前になる秘訣でも聞きたいか?」
名を呼んで隣に並んだだけで、楽しい応えが返ってくるお師匠様の手助けが出来る日々は、きっと充実しているに違いない。
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