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会ってみたかったかと私は尋ねたが、たとえ彼女が生き延びていたとしても、父と彼女が同時にこの世に存在することはなかった事を知った。
生き延びることさえ難しかった時代に子供が二人では、どちらかにもしものことがあれば兄弟のいない子になってしまうと、三人兄弟を祖父が望んだらしい。
生活を考えると四人兄弟は考えられなかったらしく、その姉が無事ならば父はこの世にいなかったことになる。
少しの運命のかけ違いで、失われた命も多くあったに違いない。
それぞれの祖父母の選んだ道や、いくつもの偶然が重なって今の幸せがあるのだと思うと、今生きていることが奇跡のように思えてくる。
平和で幸せな時代だからこそ流されるままに生きるのではなく、子供たちに夢や希望をもって精一杯青春を謳歌し、頭を使いよく考えて明るい未来を生きてほしいと強く思う。
私もこれからまだまだ続く人生を、たくさんの趣味を持って楽しんでいきたいと思っている。
奇跡を起こしてくれた祖父母たちに、心からの感謝をしながら。
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