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ムニムニした白い物体が頭の側面にくっついて、平行になる床の汚さを右目で眺めて、左目はカーテンの方から差し込む朝日に引っかかり、うんざりして片目を閉じる。
世界がゆっくり始まっていくその音をぼくは耳にした。
少しずつ春の息吹が吹き始めて、冬眠から目覚めるカエルが山から降りてきて、ぼくらはそいつを撫でてやったり、気持ち悪いって逃げたり、車で踏んづけたり、やりたい放題だった。ぼくらは人間であって、神様ではない。そんな話を君と朝までしたんだろう。
夜が明けて、まだ寒い朝に、コーヒーとかトーストとか、そういったものが口に入ってきたら、それはもう人生の終点だった。余生を楽しもうなんてつもりでこっくり死んでいくんだろう。永遠なんてない、恒常性を求めるな。諸行は無常である。諸行は無常なんだ。
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