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どこか遠く離れた町で、親子が話していた。
「ねえ、お母さん。この話、後味悪すぎでしょ」
「やっぱそう思う? でも、簡単に幸せになれたらつまらないじゃない」
「もー、子供向けの話なんだから、幸せでいいんだよ。子供に夢を持たせてあげようよ」
「......そうかなあ。じゃあ変えようかしら」
「うん、それが良い」
「でも、どこから変えればいいと思う?」
「そうだなあ。まず、王子は2人もいらないよ。レオ王子のキスで姫が目覚めるのとか、ロマンチックじゃない?」
「なるほどね。でもガブリエル王子が個人的に推しだから、消したくないわ」
「......はあ。じゃあ、姫も2人作れば良いんじゃない? 前半と後半で、違う物語にすれば良いんだよ」
「ふーん。なんかむずかしそうだから、もうあなたが作ってよ」
「......はあ」
部屋には、大きなため息が響き渡った。
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