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私は笑顔が苦手だ。
面白くない現状で強要され、敵意が無いことを伝えるために強いられる。
否。
私が笑顔を苦手とする理由は、そんな重い内容ではない。
ただ、上手く笑えないからだ。
口角を上げようとすれば口の端がプルプルと震え、だんだんと下がっていく。目を細めれば目頭に力が入り、目つきが悪くなる。
そんな単純な理由だ。
周りは自然とやってのけるその仕草が私には出来ない。写真を撮る時も、人と会話をする時もずっと無表情のままだ。
そうしていれば、私に近づいてくる人もいなくなっていった。
つまらない、悲しくなる。そんな言葉を吐かれては一人になっていく。一番心に刺さったのは「機械と会話をしているようだ」と言われた時だった。
楽しいと思っていても、なかなか表情に出すことが出来ず、ついにはそんな事を言われてしまった。
いつも無表情でいるけれど、感情まで無になっているわけでは無いので普通に傷ついた。
だから、高校に入学するタイミングで自分自身を変えようと決意した。
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