俺と運命の小説

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俺と運命の小説

 絵本なら幼い頃、母に読んでもらっていた。  絵本が好きというよりは、母の優しい声が好きだったから。  いつからか…その優しい声を聞くこともなくなってしまったけど…。    俺はあの小説に出会うまで、読書も文章を書くことも好きじゃなかった。小説なんて、作者が自分の願望を詰め込んだ、くだらないものだと思っていたから。今思えば、捻くれた考え方をしているなと笑ってしまう。確かに、小説は作者の願望だったり、考え方だったり、妄想のような話かもしれない。だからこそ、小説は面白い。  そんな風に思えるようになったのは、小学六年生の頃に出会った小説を読んでからだ。  
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