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プロローグ
俺の人生を変えたのは…
耳にしたこともない作者が書いた一冊の小説。
あの時、兄に着いていかず家に居たとしたら…きっと見つけることもなかったのかもしれない。
偶然なのか…必然なのか…、俺に分からないけど。
つまらない人生を歩んでいくんだと思っていた俺に希望を与えてくれた。
静かな図書館の中で、小声で兄の颯斗が言う。
「奨吾、その本借りるのか?」
兄は俺の持っている小説を指さす。
俺が頷くと、兄は自分の本と一緒に小説をカウンターへと持っていく。そして、「返す時も俺に着いてくるんだぞ」と言って、小説を俺に渡してくれた。
「うん!」
俺は小説を大事に抱えて、兄と一緒に家に帰る。
この時までは…兄とも両親とも仲が良かった…
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