旅に出るか!

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 わーお。  甘酸っぱい青春ごちそう様です。でもな青年、脈はない。少女はこの場を逃げ切るための計算だ。猫なで声で惚れるぐらいなら、未来は金づる。強くなれ。残念ながら、私も顔がタイプじゃないのでお断り。  「青年」  「はいっ!」  「ここで、レベルアップするか」  「えっ?」  「ちょっと待っといて」  私は木の枝をゴブリンちゃんに向けて小刻みに動かした。  「んんん~ん、ん~♪、んんんん~♪」  適当な鼻歌で、それっぽい演出を加え、裸体のゴブリンちゃんに防具を装備させていく。  「えっ、ちょっと、ゴブリンがレベルアップするんですか?」  オロオロする青年と、後ろでどぎつい睨みをかます少女を尻目に、私は青年の竹刀もレベルアーップ!    「よしっ、行くんだ、青年!」  あの北海道の名ゼリフを口パクで叫び、私はゴブリンちゃんを指さした。
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