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でっぷりお腹のリーダー格は、私の姿を不思議そうに視界に捉えた後、面白いくらいはっきりと二度見して 『ひえっ!』と悲鳴を上げた。
そうだよな。上品で弱っちい女性が多いこの世界で、マンドレイクを平然と素手で持つ軽装の女性が現れたら、モンスターの新種を疑うべきだ。
私は敵意がないことをアピールするつもりで、マンドレイクを地面に置いて両手を上げると、マンドレイクが猛ダッシュ。
「ギエエエエッ!」
「あちゃー。マンドレイクよ、逃げるならそっちじゃない!そこは、私の目的地、キャラバンだいっ!」
キャラバンの集団からすれば、ケタケタと笑う私がマンドレイクで攻撃してきたと思うだろう。
まあ、いいか!
「ギャーッ」
「やめてー!」
キャラバンに突っ込んでいったマンドレイクは毒の香りを振りまいた。よかった、その程度なら、気絶で済むレベル。
毒が回った人々は、次々に地面に倒れていく。残ったのは、エルフの女(?)の子。私の胸ほどの身長で、切れ長の目が将来の美まで確約している。
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