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ゼノはチラリと全体を見渡して、キャラバンの現状とドレスアップしたエルフを確認する。
「何してるの、もう。色々と思うところはあるけど、行きましょうねえ」
私をガキ扱いしたゼノは、軽々とお姫様抱っこしてフワリと浮いた。
「ああ、ついでに」
ゼノは愛用の杖を一振りして、キャラバン全員の毒抜きをした。
「あのっ、ゼノ様!」
美しく着飾った幼きエルフは両手をグーにして震えていた。
「なに?」
勇気を出した幼きエルフにゼノは冷たい。
「私を覚えておいでです?」
潤んだ目は、あの時の横取り女を思い出す。私は過去の合コンを思い出し、幼いエルフから目を逸らした。ゼノは私の態度に気付いたのか、私の額にキスをする。
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