旅に出るか!

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 「そこ、大事?」  つまらなそうにポリポリと頬を指で掻くゼノは、何をやっても美しい。エルフ独特の妖艶なオーラで、ついうっかり心を奪われてしまう。  「はっ!大事でしょうよ!おちおち自分の部屋でも寝られないんだけど」  「僕が守ってあげるから、ぐっすり眠っていいよ?」  ゼノは私に魔法をかけて服を脱がし、下着姿の私をベッドに寝かせると、上に覆いかぶさった。  「ね?」  「ね?って!あんたが原因でしょうが!」  枕でゼノをバンバンと叩いた。    「いたい、いたいよツツジ」  そう、私の名前はツツジ。苗字を足すと『(つじ) ツツジ』。有名なツツジの下でプロポーズしたから……って、嫌がらせにも近い名前っ!  「んー、もう終わり?じゃあ、いただきまーす」  「ギヤーッ!」
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