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「今日は朝から腹の立つ事ばかりだな!」
靴を上履きに履き替えると
教室に向かいながらあきやは思った。
「何だったんだ!?今日の武内のやろ〜!!」
不可思議な態度にモヤモヤするし
朝からのムシャクシャを武内で晴らそうとしたのに
それも不発でイライラしかない。
このままでは何でもかんでも当たり散らして
しまいそうで
あきやは『今日は寝て過ごす』と、心に決め
教室の扉を開いた。
教室に入るといつもゴチャゴチャと生徒で賑わっているはずの室内の様子とはなんだか違う。
まばらに席に座る生徒達。『移動教室なのか?』
それにしては座っている奴らは動こうともしない。
しかし、その疑問はすぐに解決する事となる。
「自習?」
黒板に大きく書かれていたのは自習の文字。
今のあきやにとって授業があったらあったで
腹が立つが
無かったら無かったで、自分のペースを乱されたようでそれはそれで腹が立つ。
まぁ、でも一つ良かった事と言えば・・・
今日の授業の予定が書いてある黒板に
大嫌いな英語の文字が無かった。
「よし!」
今日はあの苦痛な武内の英語を聞く1時間がない。
それだけでも気持ちが晴れた気がした。
しかも次の授業は体育。
あきやの大好きな授業だ。
「よしよし!」
俄然元気が出てきた。
しかも、この現代社会の授業は自習。
始めの気持ちとは裏腹に今日はなんかいい日に
なりそうだ。
そんな気がして、そのテンションであきやは
自習を良いことにそのまま教室を抜け出した。
学校を抜け出して来たのはコンビニだった。
コンビニには前々から授業を抜け出してくる
ベテランだ。
もっぱらの目的はズラッと並んだ雑誌の数々。
ファッションの勉強をしたり
髪型を選んでみたり。
その中でも今日は
今日発売のマンガ雑誌を読むことにした。
マンガの世界はいい。
魔法や特殊能力の力で豪快にねじ伏せれる。
力こそ全て。何より自由だ。
こんな縛られた世界とは違って
何を壊そうが、殴ろうが文句を言われない。
そんな世界に憧れた。
俺もこんな世界だったら・・・
主人公に自分の姿をなぞる。
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