2項 違法行為

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     2項 違法行為

「何言ってるんだよ(笑)3週間前に『日本国憲法を逆にする!』って変わったじゃないか。」 俺の知らない3週間にそんな事が!! 思えばタイムラグのようなものがあった。 みんなが何を考えているか分からなかった。 しかし、 「そういう事かよ!」 『法改正か!』あきやの中で全部解決した気がした。 校門で武内に「よく来たな」と、言われた事。 授業のない学校。まばらな生徒。 【教育基本法 学校教育】     法律に定める学校は教育を受ける者が、     学校生活を営む上で、必要な規律を     重んじると共に、自ら進んで学習に     取り組む意欲を高めることを重視して     行わなければいけない。 当然のように万引きをする女子高生。 【窃盗罪】     他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし     十年以下の懲役又は、五十万円以下の罰金     とする。 未成年なのに大型バイクを乗り回す大智。 【無免許運転】     運転をするのに必要な機器を免許を得ない     まま運転をした場合。     三年以下の懲役又は、五十万円以下の罰金     とする。 「マジか!マジか!!」 あきやはなんだか興奮してきた。 言っても、そこまで法律というものを守ってきたわけではない。 煙草、酒、喧嘩・・・。 見つかる度に怒られ、見つかっても目を背けられ 見てみぬフリをされては煙たい目で見られた。 思えば今まで何度「法律なんてクソくらえ」と 思っただろう。 それが、今は何も無いも同然。 これからは堂々と出来る。 校舎の裏に居なくても、屋上に居なくても、 コンビニの前に居ても、街中を歩いていても、 変な目で見られない。 「よし!よし!」 やりたいことが自由に出来る。 「俺らの時代が来たぜ〜〜!!」 あきやは改装して後部座席に長い背もたれを付けた 大智のバイクの後部座席に跨り 大智らと共に走り出した。 それからあきやは好きな事をした。 と、言っても正直実感はまだわかない。 それより、いつも出来ないようなこと。 それをどこまで出来るかやってみたかった。 「では手始めは、俺のCBR600の最大スピードを実感して頂こう。」 大智が最大限にアクセルを吹かした瞬間に 599ccあるバイクは一気に加速し その速度は140km/hまで達した。 「やべー!やべー!死ぬって!!」 思い切り後ろに引っ張られ 気を抜くと頭を持っていかれそうなG。 その場の空気を持っていかれたかのように 難しい呼吸。 圧力で内臓も押しつぶされているような 感覚に囚われる。 死と隣り合わせの恐怖。 しかし、あきやはそれに興奮した。 【スピード違反(法定30km/h以上オーバー)】     車道では法で定められた規定の速度で     走らなくてはいけない。     悪質の場合、6ヶ月以下の懲役又は、     十万以下の罰金。 一応、捕まらないようにいつも通り ナンバープレートは数字が見えないように曲がっている。 【道路運送車両法(表示義務)】     自動車登録番号標は見やすいように表示     しなくてはいけない。     変形又は無表示で走行した場合、     3年以下の懲役又は、五十万円以下の     罰金。 「さぁ、あきや。着いたぞ!」 そこは隣町の中学校の校門の前だった。 まだ午後を少し過ぎた所だというのに 校門はしっかり閉じられ、学校は静まり返り 誰も居る気配がない。 【義務教育】     小学校6年、中学校3年の教育課程を     国、政府、保護者はどの子供にも     平等に受けされなければいけない。 「国が放棄したんだし。もうここも使わないっしょ。」 大智はバイクを校門の前に停め、しっかりと鍵をかけた。 【違法駐車】     禁止された場所、私有地、定められていな     い公共の場所に無断で車両を停車させては     いけない。     車両を直ちに運転できない状態(放置)の     場合十五万円以下の罰金。     それ以外の場合十万円以下の罰金。 「やっちゃう?」 大智が荷台からビニール袋に入ったあるものを 大智の考えを理解したあきや。 「なるほどな。」 笑顔でそれに同意し、2人は校門をよじ登り 学校へ侵入した。 【住居侵入罪】     正当な理由がないのに、人がいる居住     または看守する建造物や土地に入っては     いけない。     要求を受けたのにも関わらず退去に     応じなかった場合、3年以下の懲役又は     十万円以下の罰金。
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