第3条 覆面  1項 きっかけ

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そんな様子をテレビ越しで見ると それは自分には関係ねぇ事 と、他人事のように思えてくる。 「、、、逆にする?意味わからねぇよ」 そう言うあきやの横で 大智がもうひとつの映像を出してきた。 「君たちは完全に包囲されている!!」 それは法律改定から3日後。 岐阜県のある街で起こった立てこもり事件。 小学校に男4人が侵入。 児童33人、教員1人を人質に立てこもった。 バンバンバン! その声に威嚇するように 発砲音が響く。 「おい!待てよ!コレって!!」 日本では銃の所持は禁止されている。 しかも名前はよく分からないが 窓から警察へ向け撃つその銃は まるで軍隊が使っているもののような どデカいものだ。 そんな物をを所持し、ましてや発砲をし、 警察官でも発砲をしたら大問題になるような この日本で! 銃撃戦が繰り広げられている。 この映像は当時の国民に衝撃を与えた。 ありえないセンセーショナルな映像は 『拳銃を所持した武装集団は、現在も懸命な説得の中籠城を続けております!この事件では、現在、教員、児童含む35名が怪我の治療を受けております。犯人の要求は未だ分かっておらず、、、。』 テレビ局、どの局もこぞって放映し 事の成り行きを国民が見守った。 結果だけを言えば 警察の圧勝。 5時間という籠城戦は、犯人の隙をみて 機動隊が突入。 テロリスト達は全員取り押さえられ、 人質は 数名の軽症者は出たものの ほぼ無傷で開放された。 さすが日本国の警察だと言える 完璧な対応だっただろう。 しかし、問題はその後に発生した。 「テロリスト全員を釈放!!?」 無傷だったとはいえ、 人質を取って 銃器を使って立てこもり、 発砲までした。 一歩間違えれば大惨事にもなりかねなかった状況。 それを実行した実行犯が無罪で放免されたのだ。 『テロリスト4名。武器の押収のみで無罪放免』 この事を大きく取り上げられた事で 世の中は大きく変わる。 意味を理解した一部の人間が好き勝手に 犯罪を犯す世界。 それからというもの、 全国各地で犯罪が横行。 盗んでも許され、壊しても許され、 殴っても許され。 捕まえても放免されてしまう為、 警察もお手上げの何でもあり状態。 こうして世界は崩れていく。
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