2項 夢

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「はっ!」 気づくとあきやは家のベットにいた。 『何だ、、、夢か、、、』 外は明るい。 どうやら朝を迎えたらしい。 『夢、、、』 そんな事を思いながらふと時計をみる。 すると時計はすでに9時を回っている。 「もうこんな時間か!」 あきやがスッと起きようとする。 すると、頭に味わった事のない激痛が走る。 「いっ!」 思わず声にならず頭を押さえた。 頭には布の感触。頭全体に包帯が巻かれている。 頭以外にもいたるところが痛い。 痛みの中であきやはその身に起こっていることを 理解した。 そう、それは昨日のこと。 昨晩もあきやは喧嘩にあけくれていた。 先陣を切って敵地に乗り込む。 あきやは喧嘩には自信があった。 故に、喧嘩のときは自分が先導して道を切り開き 仲間を導いた。 一番強いあきやが先導することで士気が高まった。 そして、その俺のすぐ後ろには 続くように信頼するナンバー2の大智がいる。 背中を預けれる存在。 俺たちは最強! そう、自負していた。 「なぜ俺に言わなかった!!?」 しかし、その日は 大智に喧嘩を売るように胸ぐらを掴み、 飛び出すように向かった戦地。 追ってきた大智と2人だけでの戦い。 でも最強の俺たち2人。 優勢であったはずだった。 勝てた喧嘩だった。 あきやの頭の包帯からは 少し血が滲んでいる。 、、、そう、勝てた喧嘩。 そう思ったのが気の緩みだったのかもしれない。 あきやは後頭部を背後から殴られ 意識を失った。 あきやは今まで喧嘩で負けたことが無かった。 しかし、いつも見つめて髪型をキメている 壁掛け式の鏡には無様に包帯を巻いている自分の姿があった。 悔しかった。 背後から攻撃された事にムカついた。 でも、それよりも一番 そんな自分が無様で仕方なかった。 「くそっ!!」 あきやはそんな自分を叩き壊すように 思い切り鏡を殴りつけた。 パリーン! 音と共に砕け、自分の姿が解らない程に 精度を無くした鏡。 その破片が突き刺さり拳から血が出る。 それでもあきやは 自分の姿が目に入らなければ それでよかった。
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