第三章 通勤電車 再び

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 今度は、今までやったことのないような仕事をしてみようと思う。  今は通勤電車の中で求人サイトを眺めるのが楽しい。  野球場のスタッフとか、インスタントラーメンのスープ製造工場とか、何だかのぞいてみたくなるような仕事をピックアップしていく。  給料は半分以下だし、採用になるかどうかもわからないけれど、気にしない。  だって、夫が「辞めればいいんじゃない?」って言ったのだもの。  稼いでもらおうじゃないか。夫に。  私はそんなことを思って電車に乗っているけれど、隣のサラリーマンはどんなことを考えているのだろうか。  今日も通勤電車はいつもと同じように動いている。                ー終ー
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