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「そういえば、玖村さんってさー」
ふと思い出しように明子が言い出した。
「一時期、雨男になりたいって、雨乞いについて調べてたみたいなんだけど。
雨男が雨乞いすんの、おかしくない?
どっちかって言うと、晴れるよう願わない?」
そのとき、八尋の隣で、ちゃんとお座りして食べていた真澄が椅子を降り、とととっと衣茉のところにやってきた。
両手を広げて言う。
「抱っこしてあげて。
真澄ちゃんを抱っこしてあげて」
はいはい、わかりましたよ、と衣茉は苦笑しながら、真澄を抱き上げる。
「ほんと子どもって不思議な言葉を使いますよね」
と言った衣茉に、
「いや、お前だって、不思議なことを言うぞ」
と八尋が言う。
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