762人が本棚に入れています
本棚に追加
帰りのお見送りのとき、可愛い銀のスプーンをくれた柚に、
「おめでとうございます」
と衣茉が微笑むと、
「私、実は織原先生のファンなんです」
とふわふわしたピンクのドレスを着た柚が言う。
真澄を抱いて後ろにいた秋馬が、
「それは奇特な」
と言った。
おい、編集……。
「純文学にエンターテインメント小説にと多才でらっしゃるし」
「いやいや、とんでもない。
幅広いジャンルで書けるだけで、たいしたあれじゃないですよ」
おい、編集。
だが、秋馬はもう身内のようなものなので、謙遜していっているのかもしれない。
いや、そう思いたい……。
最初のコメントを投稿しよう!