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柚はチラと自分の友人たちと笑って話している玖村を見る。
「あの人がずっと衣茉さんを好きだったと聞いて。
最初は衣茉さんが織原先生だとは存じ上げなかったですし。
衣茉さんはもう退社されていたので、いろいろ想像していました。
どんな方なのかなと思って、社報を探してみたり」
そう照れたように柚は言う。
「でも、社報で見たより、とても綺麗な方ですね」
い、いえいえ、と言ったあとで、衣茉は柚に言った。
「そうえば、花嫁の手紙、感動しました。
特に、『あなたと出会って、私、晴れ女になりました』ってところ」
泣くところかはわからないが、花嫁が涙ぐんでいたので、なんかつられて、みんな泣いてしまった。
「使ってください」
「えっ?」
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