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式は出し物などを挟んで楽しく進み、新郎、玖村がビール瓶を手にやってきた。
みんなについでくれる。
「あ、衣茉ちゃんは、シャンパンかワインがいいよね。
君が月島衣茉になってくれて、ひとつよかったことは、もう祝さんって呼べないから、遠慮なく衣茉ちゃんって呼べることかな」
おい、新郎、という目で八尋が見ている。
「ありがとう、衣茉ちゃん。
柚と結婚できるのも、君のおかげだよ」
いや、なんでですか、と玖村にワインをそそがれながら衣茉は思う。
「僕は君のために、既読1の男になりたかったり。
雨男になりたかったりしたけど。
それもこれも今ではいい思い出だし。
君のおかげで、柚と知り合えた」
ありがとう、幸せになるね、と微笑み、玖村は吉行たちのところに酒を注ぎに行った。
「二人は結婚はいつ?」
と吉行と明子に笑顔で訊く玖村の方を見ながら、八尋は何故か恐怖に青ざめていた。
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