色欲の居城へようこそ【選ばれし小さな姫君】

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「今までご苦労。報酬は約束通りに。」 「有り難うございます。またご要望とあらば、、」 ぼんやりした頭の中に低い大人の声がする。 「では、、確かに、、」 聞いた事がある声だ。 しかしそれから私はまた深い眠りについてしまった。 暫くして目が覚めた。 いや、最初は覚めたかどうかも分からなかった。 何故なら見た事のない景色だったからだ。 私が目覚めたのは、大人が5人位寝てもゆっくり出来る位のサイズのベッド。 絵本等で見る洋式の大きなシャンデリア。 体育館にあるような幕のような重そうなカーテン。 私はどこかの洋式のお城に迷いこんだのではないかと錯覚する。 それが夢でないと感じるまでには時間がかかった。 ベッドから降りる時に石の床に足を下ろした時、ひんやりと体感した時にこれは夢ではないのかも知れないとそこで初めて思った。 ここは、、どこだろう? 少なくともいつも住んでいた家ではない位分かる。 当然次に取る行動は素足に冷たさを感じたまま大きな扉を開けようと思った。 大きな扉はびくともしない。 何度も何度も試したけど開く気配はない。 次は窓を探した。出窓になっているようだが、開きそうな所はない。 景色さえ見えないガラスになっていた。 上部はステンドグラスになっていて、その冷たい美しさが私を余計に不安にさせた。 ここで初めて不安というものを意識した。 閉じ込められた? 誘拐? でも、、私は今日の朝確かに家にいて、どこにも出掛けていないはず、、なのに、、何故?? パパは?ママは?
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