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一人息子である僕に対して、両親の期待値は大きかった。テストで良い点を取れば大喜びされて、逆に悪い点を取った時の母さんのガッカリした顔は忘れられない。
父さんは所謂、亭主関白で、母さんへの態度がいつも傲慢だった。悲しそうな母さんを見てきたせいか、僕はいつからか自分の意見を心の中に隠して、お利口な僕を演じていた。
期待に応えるべく、毎日勉強を頑張って、わりと頭の良い高校に入学した。そんな僕を両親は、自慢の息子だと言って笑っていた。
中学ではサッカー部に所属して、運動神経もそこそこ良かった。高校では勉強に専念するため、部活には入らなかった。
高校の成績は上位で、高3の今は学級委員を任された。真面目な性格で選ばれたのだろう。選ばれたことを母さんに報告したら、とても大喜びしていた。
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