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◇00. prologue
「はい。あーんして結愛ちゃん」
思わずあーんしかけた自分を諫める。いやいやわたしはなにをしている。
「えー。駄目ぇー?」てへへと笑う無邪気な美少年のような美青年はなんなんだ。「結愛ちゃんといつかこういうことをしたいってずっと思ってたんだー。もーう。食べないなら強制あーんしちゃうよぉ?」
て言ってつくねをフォークでぶっさしてこちらに向けるこの男の子はなんなんだ。あれはそう――。
月の輝く夜が始まりだった。
*
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