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ドレッサーには引き出しがあり、なにげなく、彼が開けると中には物がいっぱいだ。おそらく、ウォータークレンジングとかクレンジング系。背の高いボトル系で引き出しの中は満杯だ。満員電車に乗っているサラリーマンみたい。「……じゃあ、落として、軽く。石鹸落ちコスメで、すっぴんメイクにしとこうか」
腰に手を添えて言うけれど伊織くん。……あの。「伊織くんって、ひょっとして、メイクかなんか極めている系のひと?」
こほん、と彼は咳ばらいをする。コットンを取り、ウォータークレンジングのボトルをプッシュしてつけると、わたしのまぶたに先ず当てて、――するり。……また、からだのなかに電流が走る。恐ろしいほどの快楽……。
「……ん。や……」
「くすぐったい?」
違うってば。――いま、自分でもびっくりするくらい、えっちな声が、出てしまった。……だって伊織くんに触れられるだけでびりびりするんだもの。
感じる。
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