542人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
とか、言えないし……どうしよう……。咄嗟に言い訳を考えた。「あの。わたし。……ひとに触れられると駄目な体質で……へ、変な声……出ちゃうのっ。ごめん。触られるのは全然いいんだけど……反応ヤバくてごめんです」
ふ、と息を吐く声。見れば、伊織くんは、腰を屈めてわたしの前に回り込むとまた、わたしの目を覗き込み、
「いいよ。だっておれ、きみの隣人だし」
お隣さんなら何でも許される、そんな話があってたまるか。
* * *
メイクを、ウォータークレンジングをしみ込ませたコットンで軽く拭われ、その後、保湿をされ……。ひとに、お肌を触られるのってこんなにも気持ちがいいのかと。衝撃。……半端なくエロい声出ました。
「きめが細かくて整っているね結愛ちゃんの肌は」――と、ぴた、ぴた、と手のひらをわたしの頬に当てる伊織くんは、「疲れていてもちゃぁんと毎日メイク落とししてるっしょ。毛穴も開いてないし。お手入れも毎日頑張っているんだね」
「いやそんな」迫りくる快楽に耐えながら言葉を発した。「……わたしが使ってるのって、オールインワンジェルだし、手抜きもいいとこだよ」
最初のコメントを投稿しよう!