◇11. お隣さんの、虜です。

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 悄然とする広大。カワイイ。そんな彼の茶髪の頭をよしよしとしてやり、暗闇だから分からなかったのよ、とフォローをしてやる。……彼は。  小林くんが、マンションのエントランス前で、いじってきたのを、小林くんと認識出来なかったのを、悔やんでいる。その前に顔合わせはしていたし、お客様のことはなんでも分かっているべし、というポリシーだから。  悪くはない。嫉妬が、視界を曇らせることだってあるのだ。うしうし。わたしのほうといえば、そんなにも、嫉妬して貰えたこと自体が嬉しい。  本日は、お鍋。こたつは、来週届くはずなので、来週は、こたつでお鍋。いや、すき焼き鍋にしようかと、話し合っている。――お揃いのマグカップを買って。一緒にニトリなんか行って。  すっぴんメイクもまたして貰って。今度は、――華やかな、結婚式のお呼ばれメイクなんかも、教えて貰っちゃって。……彼ってすごく、教えるのが上手い。天才って、説明下手なひとが多いんだけれど、広大は違う。――分かりやすくて。  やさしくて……。
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