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お味噌汁を飲む。わたしが好きな、あまーい玉ねぎと、ふわふわ溶き卵の具。好きだって知って一途に作り続ける彼のことが、愛おしい。「結婚式かぁ。……呼ばれるの久々だから、なんだかアガるわ」
「ふふふ」と同じく、味噌汁を口にした広大は、「結愛ちゃんのドレスまじで可愛いもんねー。おれが見立てただけのことはある」
えっへん、と胸を張るなどこの小学生か。……広大って。
えっちのときだけ、呼び捨て……。
するのなんか、エロい。ひとり、赤面するわたし。そんなわたしの変化に気づかず、鳥の唐揚げに箸を伸ばす彼は、「あそうだ」と言ってのける。
「せっかくだし。……指輪とか買いに行こうっか」
なにを言っているのだ。開いた口がふさがらなかった。「ほい?」
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