542人が本棚に入れています
本棚に追加
/64ページ
◇12. お隣さんは、永遠です。
ふわり、と空中を舞うブーケを受け取るお年頃でもなかったのだが。予想外に、花嫁さんが、派手にすっ飛ばしたので、そのままだと池ポチャしちゃうと思い、受け取った。
ぱちぱちと拍手が湧く。……微妙だ。アラフォーバツイチいやマルイチ女が、ブーケを受け取りましたとよ。何気に記帳するときも持つのが難しく。花束って、どうやって持てばいいのよ。
「白石さん。やったじゃないですかぁ」……いじってくるのやめれ。ま。スルーされるよりかマシか。職場の後輩の日野間ちゃんは、「今度は、白石さんの花嫁姿が見られるんですねえ。楽しみですぅ」
「いやいや」と首を振った。二次会の、会場にて。「流石にこの年で再婚でウェディングドレス着るのはまずいわよ。……ないない」
「あれ。……でもあれ……」
日野間ちゃんが見る先には。なんと。
二次会の会場は、銀座のレストランを貸し切って行われている。そこに。――白い、タキシード姿で出迎えるのは、……
(やだ。嘘)
最初のコメントを投稿しよう!